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休診日:土午後、木・日・祝日

診療案内

糖尿病
内科

対象となる疾患

2型糖尿病の方を主として、ステロイド糖尿病、膵性糖尿病、各種1型糖尿病の方も可能な限り拝見します。

糖尿病患者様に出現しやすいおもな症状を以下に記載します。次のような自覚症状があれば、おはやめに受診をおすすめします。

糖尿病(高血糖状態)が疑われる症状

  • 口喝、多飲、多尿
    「とても喉が渇く/とても水分が欲しくなる」、「おしっこの量や回数が多い」
  • 体重減少
    「食べているのに体重が増えない/やせてくる」
  • 倦怠感、易疲労感
    「だるい」、「疲れやすい」
  • 足のしびれ、違和感
    「足の先、足の裏がしびれる」、「足のうらに何かはりついた感じがする」
  • 視力障害
    「目がかすむ」、「視力が落ちた」 
  • 自律神経障害
    「立ちくらみがする」

治療

合併症をきたさないためには、おおむねHbA1cを7%未満(空腹時血糖130mg/dl未満、食後2時間血糖180mg/dl未満に対応)を治療目標に設定します。ただし

  1. 可能な限り低血糖をきたさないこと、
  2. 肥満を助長させないこと、
  3. 膵臓のインスリン分泌能を低下させないこと、
  4. 服薬アドヒアランスを低下させないこと、
  5. 経済的コストをなるべく抑えること等を実現しつつ治療することが重要と考えます。

食事療法(管理栄養士による栄養相談)、運動療法に加え、必要に応じ、内服薬および注射薬(インスリン、GLP-1受容体作動薬)の使用を提案いたします。

糖尿病と感染症について

日本人糖尿病患者さんの死因の1位は悪性新生物(がん)ですが、2位は肺炎、尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎など)などの感染症です。
特に糖尿病の血糖コントロールが不十分(おおむねHbA1cが8%以上)のかたでは、白血球(好中球)の働きが低下して感染しやすくなり、また重症化しやすくなります。
新型コロナウイルス感染が懸念される現在、適切な食事療法、運動療法にくわえ、血糖コントロールが不十分な方は薬物治療の強化を検討されてはいかがでしょうか?
なお、当院では管理栄養士による栄養相談を行っています(予約制)。できるだけ患者様のライフスタイルに寄り添った食事療法を提案するように心がけておりますので、ご希望の方は、お気軽にご相談ください。

糖尿病患者様が行うことが望ましいと考えられる検査。

  • 採血(血糖値、HbA1cなど)
    目的:血糖コントロール状況を把握します。
  • 採尿(尿蛋白など)
    目的:糖尿病性腎症の有無とその程度などを評価します。
  • 末梢神経伝導速度
    目的:糖尿病による末梢神経障害の有無とその程度につき評価します。
  • 眼底検査等眼科での検査
    目的:糖尿病網膜症、黄斑浮腫などの合併症の有無につき評価します。
    なお、糖尿病と診断された場合、網膜症などの眼合併症がないと診断された場合でも半年から1年に1回の定期受診が推奨されていますのでご注意ください。
  • 頸動脈超音波検査(頸動脈エコー)
    目的:「全身の血管の状態を反映する鏡」ともいわれる頸動脈にプラーク(粥腫、かす)がたまっていないか、IMT(内膜中膜複合体、血管の壁の厚み)が肥厚(厚くなっていないか)していないか計測し、脳梗塞などの動脈硬化性疾患のリスクを評価します。
  • 血管脈波検査(ABI/PWV。別名:血管年齢の検査)
    目的:糖尿病患者様で合併しやすいとされる(下肢)閉塞性動脈硬化症の有無について評価するとともに全身の血管の硬さ(動脈硬化の程度)を評価します。
    「長く歩くとふくらはぎが痛くなるが、しばらく休むとまた歩けるようになる」、「安静にしてもふくらはぎが痛む」などの症状がある方は検査をご検討ください。
  • 腹部超音波検査(腹部エコー)
    目的:糖尿病患者様は、脂肪肝の合併も多いことが知られています。脂肪肝から肝硬変、肝がんに移行する場合もあるので注意が必要です。腹部超音波検査で、脂肪肝の有無を含め、肝臓、胆のう、腎臓などに病変がないかおおまかにチェックできます。
  • がん健診
    糖尿病患者様では、大腸がん、膵がん、肝がんなどのがんにかかりやすいことが報告されておりますので、積極的にがん健診や人間ドックを受けることをお奨めいたします。
  • 〇大腸がん
    便潜血検査、下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)をお奨めします。
  • 〇膵がん
    早期発見がむずかしいがんですが、糖尿病が特段の理由なく増悪した場合には、膵がんも疑って検査を受けることをお奨めします。
  • 〇肝がん
    採血(肝機能など)、腹部超音波検査をお奨めします。

教育入院を含め、入院が必要と考えられる方には、患者様と相談のうえ、横浜市立大学附属市民総合医療センター、横浜市立大学附属病院、済生会横浜市南部病院、横浜南共済病院などの専門医療機関にご紹介いたします。

いわゆる糖尿病予備軍(耐糖能異常)の方に対しては糖尿病に移行しないように食事療法(管理栄養士による栄養相談)、運動療法のほか、薬物治療(α‐グルコシダーゼ阻害薬)の使用を提案します。

のどの渇き(口喝)、水をたくさん飲む(多飲)、尿の回数/量が多い(多尿)、最近やせてきた(体重減少)、足先のしびれ等の糖尿病を疑う症状があれば、はやめに受診いただき検査(血糖値、HbA1c、尿検査のチェック等)をおすすめします。

なお、HbA1c、血糖値、尿検査等に関しては、院内で検査が可能で受診当日に結果がわかります

代謝内科
内分泌内科

対象疾患

甲状腺疾患(慢性甲状腺炎(橋本病)、バセドウ病など)

(1)慢性甲状腺炎(橋本病)

慢性甲状腺炎(橋本病)とその疑いとされる方を合わせると、女性の1割程度いらっしゃるとの報告もあり、めずらしい病気ではありません。

うつ病、認知症、脂質異常症(コレステロール高値)の背景に、慢性甲状腺炎がかくれていることがあるので注意が必要です。

症状としては、甲状腺の腫大(はれ)に加え、倦怠感(だるさ)、意欲低下(元気がない、うつっぽい)、浮腫(むくみ)、嗄声(声がかすれる)、記憶力の低下、動作緩慢、便秘等があります。このような症状が続き、原因がはっきりしない場合は、検査(採血、甲状腺エコー)をおすすめします。

(2)バセドウ病(甲状腺機能亢進症)

症状としては、動悸、息切れ、発汗、手指振戦(手のふるえ)、体重減少などがあります。このような症状が続いている場合は、検査(採血、甲状腺エコー)をおすすめします。

*注意

甲状腺がん等の腫瘍性疾患は、まず、外科(甲状腺外科)や耳鼻咽喉科(頭頚部外科)を受診ください。

脂質異常症(高脂血症)

基礎疾患(糖尿病にかかっているか、心筋梗塞・狭心症にかかったことがあるかなど)、家族歴、喫煙の有無等によって、脂質管理目標(悪玉コレステロールをどこまで下げれば良いのかなど)が違ってくるので注意が必要です。

食事療法(管理栄養士による栄養相談)、運動療法のほか、薬物治療(スタチン、フィブラート、EPA/DHA)をご提案します。

また、必要に応じて、動脈硬化の程度を評価するための検査(ABI/PWV、頸動脈エコーなど)をご提案します。

高血圧

基礎疾患(糖尿病にかかっているか、腎臓病にかかっているか/尿たんぱくがでているか、脳血管障害にかかったことがあるか、心筋梗塞・狭心症にかかったことがあるかなど)、年齢などによって、降圧目標(目標血圧)や第1に推奨される薬剤が異なることに注意が必要です。
食事療法(減塩、過度な飲酒を避けるなど)や運動療法で十分な改善が見られない場合は適切な薬物治療を提案します。

高尿酸血症(痛風)

肥満症

減量効果が期待できる薬物治療について

1. GLP-1受容体作動薬

2型糖尿病に対して用いられるGLP-1受容体作動薬という注射薬は、本邦の用量とは異なりますが、米国では肥満症にも適応のある薬剤です。

このため、肥満を合併した2型糖尿病患者様で、膵臓がインスリンを分泌する能力がある程度保たれている場合には血糖コントロール改善効果に加え減量効果が期待できるGLP-1受容体作動薬の良い適応と考えられます。

2. SGLT-2阻害薬

SGLT-2阻害薬は、腎臓の尿細管における糖の再吸収を阻害することで尿中に糖を排泄させる働きがあり、血糖コントロール改善効果に加え体重減少効果が期待されます。
糖尿病のかたではSGLT-2阻害薬の使用が可能です。

ただし、SGLT-2阻害薬では、尿量の増加・頻尿に加え、ことに女性では尿路感染症の発症リスクを増やすとの報告があり注意が必要です。

以上より、SGLT-2阻害薬は、肥満を合併した男性2型糖尿病患者様に良い適応であると考えられます。

注意

現状では、GLP-1受容体作動薬、SGLT-2阻害薬は、糖尿病を有しない肥満患者様に対しては保険適応がありませんのでご注意ください。

減量目的の入院について

横浜保土ヶ谷中央病院糖尿病内科等の専門医療機関に減量目的の入院を依頼することができます。

肥満外科手術

BMI 35kg/m2以上(肥満度3度以上)の方で糖尿病、高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群のうち1つ以上の疾患を合併し、6カ月以上の内科的治療が奏功しない方に関しては、肥満外科手術(腹腔鏡下スリーブ状胃切除術)の有効性が高く、保険適応となっています。手術をご希望の方には適切な医療機関にご紹介させていただきます。

注意

現状では、下垂体、副甲状腺、副腎、性腺疾患について、当クリニックでの診療体制が整っていませんのでご了承ください。

NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)について

糖尿病、脂質異常症、肥満症の方は、アルコール多飲を除く原因でおこり「メタボリックシンドロームの肝臓における表現形」とされるNAFLDが合併しやすいとされています。
NAFLDは一部肝硬変(NASH)や肝がんに進展することがありますので注意が必要な疾患です。
このため、糖尿病、脂質異常症、肥満症等のかたは、AST、ALT、γGTP等の採血結果に大きな異常がなく、また、自覚症状がなくても人間ドックなどの機会を利用して腹部超音波検査を受けることをおすすめします。
腹部超音波検査、採血結果(AST、ALT、γGTP、血小板数)等の結果から、NAFLD/NASHに関するより専門的な診療・検査(フィブロスキャン、MRエラストグラフィーなど)が必要と考えられる場合は、患者様と相談のうえ、横浜市立大学附属病院 肝胆膵消化器病学外来などの専門医療機関へご紹介いたします。

ことに、糖尿病患者様は、非糖尿病患者様に比べ肝がんの発症リスクが高いことが知られており、この点からも腹部エコーを受けることをおすすめします。

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